思わぬ再会 ――早朝のコインランドリーで
夜明け前の早朝のコインランドリーでのこと。
以前にもご紹介したことがりますが、私にとって『早朝とか深夜のコインランドリー』という空間は「朗読の練習」をするのに最も適しています。
ほかにお客さんはいないし、また、来店者もめったにないからです。
ですから清々と声を出して朗読の練習をします。
声が空間に適度に反響するので自分の出している声の具合や調子を聞き取りながら練習を深めることができて誠に好都合なのです。
万一来店客があった場合にはドアの開閉とともに声をミュートします。
コインランドリーの利用者は機械をセットすると店外に出ていく人が大半です。
と同時に、発する声の音量は元の大きさに戻します。
コインランドリーは地域の不特定多数の人が利用しますが、顔見知りとか知り合いに出会うことはほとんどありません。
ですからお互い『お早うございます』とか『こんにちわ』などと挨拶などしませんが、私は居合わせた人にはなるべく挨拶の言葉をかけるように努めています。
反応はいろいろです。身も知らぬ人から声をかけられるのですから怪訝な顔をする人の方が多いですが、中には挨拶を返してくれる人や、声に出さずとも軽く会釈を返す人も多少います。自分よりも先に用事を澄まして出ていく人が『お先に』なんて言葉を残していくのも快いものです。
今朝私よりも後に入店した人は『お早うございます』の声をかけるとまことに爽やかに『お早うございます』の挨拶を返してくれました。
このような人は実に久々です。
挨拶がきっかけでよもやま話を少しすると、なんとその方とは地域の別のコインランドリーで一度居合わせた方だとお互い気がつきました。
思わぬ再会でした。
乾燥機を24分セットしていたのですが興味深い会話にあっというまに乾燥終了のブザーが鳴り「御免下さい」とお別れしました。
by 09donpo11
| 2014-08-23 07:24
| 日々の暮らしの中で