朗読劇「車の色は空の色より」の朗読会でのエピソードと裏話
劇団車輪のわく-Rim-の朗読会で、朗読劇「車の色は空の色より」前半と後半の間の休憩を挟んで、後半の始まりに『手あそび』を担当しました。
どんな手あそびをするのかは舞台に出て当日の客席の老若男女&おとな・こどもの顔ぶれや人数比率を見て即座に内容を決めます。
あらかじめ候補の手あそびをいくつか心に準備していますが、この日は最前列にたぶん幼稚園の年長さんと思しき連中が数名陣取っていて見事にかまびすしい。
こちらが一言投げかければ同時に、二つ三つの反応が来ます。問いかけへの即答であったり、イメージの飛躍した言葉だったり、無関係の茶々やらetc…。
この手のお客はやりにくいと思っちゃうと実にやりにくいとも言えますが、その一方で演者のほうはすごく闘志が搔き立たれます。
私が36年前に創作した『つくしんぼ(実は私が作者です)という手あそび』をしました。まずは導入部を紹介し基本形を一つ披露します。嬉しそうに模倣しすぐ乗ってくる子と、「ちゃちゃいれ」で混ぜ返せる快挙に思いを馳せて熱を入れつつ反応する子と、その反応は3人3様ならぬ5人5様。それを丸ごと全部受け止めコマセを播きつつ手あそびのバリエーションを重ねて彩を深めます。一本指のつくしんぼ表現からちょき、さらにぱーとつくしんぼの数をにぎやかにしていきます。ヒートアップとともにこちらの意図する方向の手あそびへといざないます。
手あそびの展開の先を予測して先取りコメントをする子には、『君は素晴らしい(あたまがいい)!』と聡明さに熱烈拍手をします。自分が認められたと実感するとたいていそのあとは従順です。…が、この日は火に油を注いだような最前列の反応です。
もうこうなると極め付きの奥の手を出します。『それじゃあああ、今度は、すんごいのやるよぉ~。(…タメを作って…)に・ん・げ・ん・つくしんぼ!』
格闘技に例えていえば必殺技です。
肝心の後半の朗読劇への導入的なひと時にはできませんでした。
まだまだ修行が足りません、ちょっと反省です。