ばぶのばぶなひとときをご紹介します
by どんぽのばぶ
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
全体
アップしそびれていた日記より
3/11を忘れない
ばぶさんのお話しおじさん
ものづくりのあれこれ
華麗なる加齢ライフ
人生を共にしている生活道具
日々の暮らしの中で
保育ネタ
ばぶさん童話
ばぶさん童心話
ばぶさんポエム
災害を忘れぬために
ばぶさんな童話
ばぶさんの朗読タイム
朗読&朗読よもやま話
クッキングばぶさん
イソップイばぶさん
ばぶ式ガーデニング
震災支援活動
感動のおすそわけ
健康と病気
工房日誌
子育て・子の育ち・あそび
未分類
以前の記事
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
フォロー中のブログ
生きる詩
梟通信~ホンの戯言
遺言
花と葉っぱ
オアシスの庭/ボヤントメ...
雑画帳Ⅱ
* 雫 * 
ゆるりんのポレポレ日記
ゆっくり生きる
人生って つむじ風、いつ...
グルグルつばめ食堂
Harvest Moon
秋田おじゃろぐ 
富士山大好き~写真は最高!
山歩路通信―さんぽみちつ...
おすすめ海外情報 ~ta...
長女Yのつれづれ記
気ままな日々綴り
こどものにわ
Night Flight...
墨のかほり
シヴィライ村便り~ラオス...
春のよき日に vol.2
momopororonの...
そらみて
最新のコメント
ご無事でよかったです。
by paje1912 at 23:45
この場所が朗読愛好者の交..
by 09donpo11 at 13:13
猫に哲学を学びました。 ..
by 09donpo11 at 11:06
kyao67さん コメ..
by 09donpo11 at 02:55
momopurinnさん..
by 09donpo11 at 23:16
もう一度保育の現場で、1..
by kyao67 at 21:07
娘が赤ちゃんの頃 はい..
by momopororon at 11:02
若いころの保育士だった私..
by 09donpo11 at 23:21
子どもには泣く権利も、怒..
by 09donpo11 at 05:40
手遊び♪一緒に出来るくら..
by kyao67 at 13:33
皆それぞれがある程度の力..
by 09donpo11 at 23:39
こんにちは。 スペース..
by つねさん at 10:08
> 鬼藤千春の小説・短歌..
by 09donpo11 at 01:58
はじめまして!あるブログ..
by 鬼藤千春の小説・短歌 at 10:14
今から23年も前の話です..
by 09donpo11 at 23:29
嫌いなもの、嫌いなことが..
by 09donpo11 at 20:38
こんばんは。 私も年々..
by souichinoyume at 00:10
贖いきれない状況を孕んで..
by 09donpo11 at 21:40
「センス・オブ・ワンダー..
by kyao67 at 21:08
日本語は心豊かな実に奥深..
by 09donpo11 at 21:53
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
第16回ワンコイン朗読会&朗..
at 2017-07-23 00:01
保養キャンプでワークショップ..
at 2017-07-20 00:13
笑顔と笑顔が伝播し響き合っている
at 2017-06-30 06:53
指揮者の手指の表現に魅惑され..
at 2017-06-28 09:34
お見舞いを兼ねて母の誕生日を..
at 2017-06-27 09:01
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
創作小説・詩
日々の出来事
画像一覧

カテゴリ:ばぶさん童話( 113 )

お話し森の山小屋で (第8稿) ~4/4~


⑥ ものづくりの妖精さん 

「ねえ、ねえテーブルさん」

「テーブルさんてばテーブルさん」

「あのさ、うんとさあ・・・」

子ども達はいっぺんにしゃべり出しました。

「ちょ、ちょ、ちょっと待った。」

「ようせいさんってまほうつかい?」

「ようせいさんってどんなときにくるの?」

「ようせいさんどっからくるの?」

「いろんなようせいさんがいるの?」

子ども達はわれさきにと質問をしました。

「質問は一人ずつだ」

「ようせいさんってまほうつかい?まほうをつかえる?」

「いいや、魔法使いではないね。

ちょっと魔法使いみたいなところもあるけれど・・・

もしかしたら魔法を使えるのかもしれないけれど

魔法を使っているのは見たことないなぁ。」

「それじゃあどんなことできるの?」

「さっきもちょっと話したけれど、一生懸命考えて

すてきな言葉が閃いたり、

何か素敵な考えややり方を思いついたり、

今まで気が付かなかったことに気づいたり発見したりするたびに

妖精さんはその人のすぐそばに来て小さな拍手を贈るんだ。

そしてその人の周りを嬉しそうにぐるぐる廻るんだ。

その閃きややり方をその人が試して

それがうまくいけばいくほど妖精さんの数もどんどん増えて大拍手。

妖精さんたちは熱烈な拍手をしながらびゅんびゅん廻るんだ。

その拍手を浴びると不思議と元気が身体中にみなぎってくる。

時にはヴァムさんが思わず『絶好調!』なんて自分を褒めながら

ものづくりしているのを見たことも何度かあったなぁ。」

「ようせいさーんってよんだらきてくれるの?」

「いいや、妖精さんは呼んでも来てくれないし、

いついつ来るよなんて約束もしない。

とっても気まぐれなんだ。」

「ようせいさんってどっからくるの?」

「さ、どこから来るんだろうねぇ。

何処から来るかではなくて、多分…」

「たぶん。なあに?」

「多分、みんなの身体の中に最初っからいるんじゃないのかなぁ。」

「さいしょっからいる?」

「そう、最初っからいるんだけれども大抵眠っている。だから・・・」

「だからなあに?」

「だからなかなか気が付かないんだ。

妖精さんが目覚めてすぐそばを拍手しながら

ぐるぐる回っていても気がついていない人が沢山いると思うよ。

目には見えないからね。

『あっ、今、妖精さんがすぐそばに来てる』

って感じる人だけが妖精さんと会話できるんだろうね。

会話といっても妖精さんはおしゃべりをしない。

ぐるぐる廻ることと拍手で表現するだけだから、

それがきっと妖精さんの言葉なんだろうと思うよ。」

「いろんなようせいさんがいるの?」

「ものづくりの妖精さんのほかにも・・・。

ことばの妖精さん。お話の妖精さん。

歌の妖精さん。楽器の妖精さん。

ダンスの妖精さん。

絵や彫刻の妖精さん。

お部屋の妖精さん。

森の妖精さん。

大地の妖精さん。

空の妖精さん。

水の妖精さん。

光と影の妖精さん。

ありとあらゆる妖精さんがいるんだよ。」

 ⑦ あそびの妖精さん 

「ねえ、てーぶるさん」

「何だい?」

「あそびのようせいさんっていないの?」

「おっと、肝心な妖精さんのことをすっかり忘れていたよ。

どうして忘れていたかなぁ。ふぅ~む・・・。」

「ねぇ、いるの いないの どっちなの?」

「いるとも、いるとも。

子供にも大人にも実にたくさんの妖精さんがね。

だが、どうして忘れていたかなぁ・・・。」

そのままテーブルさんは黙り込みました。

子供たちは口をぽかんと開けてお話を待ち続けました。

静かな時間がゆっくりと緩やかに流れました。

テーブルさんは何かを話出そうとしているのですが

ずっと黙ったままです。

その様子はさっきから懸命に言葉を探しているといった風で、

それでいてちょうどいい言葉が見つからないらしいのです。

そして時間はまるで止まったかのように動かなくなりました。

「はくしょん。」 とジョーイが小さなちいさなくしゃみを一つしました。

「遊びの妖精さんはね、

ほかの妖精さんたちのとはちょっとばかり違うんだ。

くるくる廻ったり拍手をしたりすることもあるけれど、

それよりも明るさを増すというか、輝くんだ。

身体の内側から外側に向かって輝きを増すんだ。

大人たちの輝き方にはうねりや揺らぎがあるんだけれどもね。

特に君たち子どもの場合にはその輝き方がまっすぐなんだ。

どうかな、わかったかな?」

「あまりよく・・・わからない」

「そうか、『あまりよく解らない』か。

では今日はここまでにしておこう。

きっと私自身がまだよく解っていないから、

私の中で言葉が熟成していないんだ。

だから君たちに伝えきれないのだ。

ううぅ~ん。

これは私の宿題にさせてもらおう。

解ったつもりでいたが、まだまだ充分に解ってはいないのだね。

そのことに気づかせてくれた君たちにありがとう。」

「はくしょん」

またひとつジョーイがちいさなくしゃみをしました。

「空気が少し冷えてきたんだ。

おや、ここを見てごらん」

テーブルの上のポットのふたをオレンジ色の光が染めています。

光の源をたどっていくと、西の壁にちいさな節穴が見えました。

かわいらしいハート形の節穴でした。

「もう日が暮れるという知らせだ。

そろそろお家へお帰り。」

「ありがとう、たのしかったよ。またくるね。」

「ああ、いつでもおいで、待っているよ。」

「さようなら」

「さようなら」 


[PR]
by 09donpo11 | 2017-05-12 04:52 | ばぶさん童話 | Comments(0)

お話し森の山小屋で (第8稿) ~3/4~


 ⑤ ヴァムじいちゃんと革の靴  

「おや、君の履いているその革靴は…?

前にどこかで見たことがある靴だぞ。君は?」

「これ?おばあちゃんからもらったの。あたしの名前はセリーヌ。

おばあちゃんが いまのあたしくらいのおんなのこだったときに

おばあちゃんのおとうさんがつくってくれたんだって。」

「すると君はヴァム・ルッシュボーンさんのひ孫というわけだ。」

「あたしのパパは『ヴァムじいちゃん』っていっているわ。

テーブルさんひいおじいちゃんのことしっているの?」

「知っているどころか、このテーブルの私を作り直してくれたのも

ヴァム・ルッシュボーンさんなのだよ。」

「ひいおじいちゃんのはなしききたい。」

「それじゃあ、そのヴァムじいちゃんのお話をしようね」

「あれはまだヴァムさんがカテリーナさんと結婚して7年目の春

ターニャが5歳の誕生日を迎える一週間前の朝だった。」

「カテリーナさんてだあれ?」

「カテリーナさんは君のひいばあちゃん。ターニャは・・・」

「わかった、あたしのおばあちゃんのことね。」

「そうとも、そのとおり」

「へえ~おばあちゃんにもなまえがあったんだ。ぼく・・・」

「おや、君は・・・」

「あたしのおとうと。ジョーイよ」 

「ぼく、おばあちゃんって

『おばあちゃん』っていうなまえかとおもってた。」

「はっはっは、だれにもなまえはあるよ。すてきななまえがね。

さて、お話をつづけよう。」

「ききたい、ききたい。」

「ヴァムさんはターニャが5歳になる一週間前の朝、

『うん、これだ。5歳のプレゼントはこれにしよう。』

とっても素敵なことを思いついた。

『お早う、ヴァム。どうしたの?とってもうれしそうね。』

『やあ、カテリーナ。おはよう。

ターニャの5歳の誕生日のプレゼントのことさ。

何にするか決まったんだ。これさ。』

ヴァムさんは、自分の履いている破れかかった革靴のつま先を

パクパクさせながら言ったんだ。

『ターニャに靴を?パーチのお店で買うの?』

『いいや、買わない。私が自分で作るのさ?』

『あなたが自分で靴を?作ったことあるの?』

『一度もない。けれど作ってみようって思ったのさ。』

『靴を作るなんて難しいんじゃない?できるの?』

『多分、難しいだろうな。・・・でもね、ほら、

さっきからこの靴もぱくぱくとしゃべっているじゃないか。

できるかできないかなんてやってみないとわからないさ。ってね。

この靴が作り方を教えてくれるよ。』

それからヴァムさんは七日七晩かけて 

サクサク ジョキジョキ コツコツトン 

上から下から キュッキュッキュ。 そして、靴は完成した。

私はその時の話をヴァムさんに聞いたことがある。

『ヴァムさん、どうやってあの靴を作ったんだい?』

『まず始めに、自分の履いていたパクパク靴を丁寧に分解した。

そして、隅から隅まで注意深く見たんだ。そして解った。

なーるほど、靴っていうのはこういう風にできているんだってね。

それをお手本にまさにみようみまねでじっくり慌てず、

ひと針ひと針縫いあげた。

靴を作ろうって閃いたときから、靴が仕上がるまでの間のことだ。

何度も不思議な体験をした。』

『不思議な体験ってどんな体験?』

『何か閃いたり、思いついたり、発見をする度に、不思議な何かが

私の周りをくるくると廻るんだ。

よく見ようと手を止めると何も見えない。

けれども、何かがくるくる廻っているのを感じるんだ。

そして、聞こえるんだ。彼らの熱烈な拍手の音をね。

正確にいうと実際には聞こえないんだが感じるんだ。』

『彼らって、誰?』

『ものづくりの妖精さんたちだ。』


[PR]
by 09donpo11 | 2017-05-11 06:46 | ばぶさん童話 | Comments(0)

お話し森の山小屋で (第8稿) ~2/4~ 

お話し森の山小屋で (8稿) ~2/4

 ③ ティーパーティー 

子ども達はわくわくしながらお部屋の中に入っていきました。

ちょっとばかり小さなお部屋です。

みんながいちどに入りきれるかなぁと心配しながら入りました。

ところが不思議なことにみんな一緒に入れました。

しかも、お部屋の中はちっとも窮屈でなくて、

広すぎもせず狭すぎもせず、

なんというか『ちょうどいい広さ』なのです。

小さなテーブルを挟んでベンチが二つありました。

藤色のベンチが言いました。

「どうぞみなさん座ってください。」

みんなが一度に座れるかなぁと心配しながら座りました。

ところが不思議なことにみんな一緒に座れました。

しかもベンチはちっとも窮屈でなくて

硬すぎもせず柔らかすぎもせず

そのうえとても座り心地がいいのです。

テーブルの上には白い陶器のポットがありました。

ポットはふたをパタパタさせながら子どもたちに訊きました。

「のどの乾いている人はいますか?」

「はーい」

「はーい」

とみんな勢いよく手をあげました。

するとどうでしょう。

不思議なことにその手には

それぞれガラスのコップが握られていました。

ポットさんがちょっと胸を張っておすましで訊きました。

「何を飲みたいですか?」

お茶を飲みたい、ジュースを飲みたい、冷たいおみずがいい、

子どもたちはそれぞれに自分の好きなものを注文しました。

「はい、あなたはお茶ですね、・・・お茶は紅茶ですか緑茶ですか?

あなたはジュースですね。 

どんなジュースがいいですか?

え?『ブドウのジュース』お隣のあなたは『さくらんぼのジュース』

そしてあなたは『冷たいおみず』・・・はい解りました。」

とても不思議なポットです。

コップに注ぐ度に注文どおりの飲み物が次々と出てきます。

ガラスのコップは色とりどりの飲み物で賑やかにに輝いています。

「飲み物はいきわたりましたね。それでは皆さん さあどうぞ」

「カンパ~イ!」

ごくごくふつうの子どもたちはゴクゴク喉をうるおしました。

コップも大変不思議でした。

もっとお代わりが飲みたいなって思って

「おかわり!」って言おうとすると

コップの底から湧き出るように飲み物が増えているのです。

しかも、たっぷりお替りの欲しい子にはたっぷりと、

ちょっぴり一口分だけ欲しいという子にはちょっぴり一口分だけ

多過ぎもせず少な過ぎもせず、ぴったりなのです。

そしてそれを飲み切ると身体の中を爽やかな風が吹き抜けて

自分も風になったようないい気分でした。

「ごちそうさま」みんなコップをテーブルの上に置くと

コップはみるみる色がうすくなりポワッと見えなくなりました。

「それじゃあ、こんどはおはなしだよ。」

とテーブルさんの脚がカタリとタップダンスしました。

④ 妖精さんの背負い籠 

テーブルさんが子どもたちにききました。

「妖精さんのお話をしようか?」

「ききたい」「ききたい」

「おはなしききたい」

子ども達は目をキラキラさせて答えました。

「それでは始めようね

ようせいさんのせおいかごというお話だよ。

ある時サニー坊やが私にこんな質問をしたんだ。  

『ありがとうのことばがとどくのはなぜ?』

それはね、ありがとうの妖精さんが背中の背負い籠に

ありがとうを入れて届けに行くからだよ

『ごめんなさいのことばがとどくのはなぜ?』

それはね、ごめんなさいの妖精さんが背中の背負い籠に

ごめんなさいを入れて届けに行くからだよ

『ありがとうもごめんなさいも

ことばがとどかないときもあるよ。どうして?』

妖精さんが、ちょっとあわてんぼして

背負い籠の中にことばを入れ忘れて出かけたり

籠に入れた言葉を途中で落としたりして

籠の中身が空っぽになっていると

せっかく届けに行っても手渡せないのだよ

妖精さんの背負い籠にはふたがないんだ

だからことばをしっかり中に入れないとね

妖精さんも困っちゃうね

『せおいかごのなかにことばをしっかりいれたのに

とどかないときもあるのはなぜ?』

妖精さんはね、お家のドアや窓を

一度だけそっとノックするんだ。

けれどもね、ドアも窓も固く閉まっていると

開けてもらえないから手渡せないんだ

『どんどん・・・ってもっとつよくノックしたらきこえるよ』

そんなふうにノックしたらドアも窓も、

もっと堅く閉まっちゃうことを妖精さんは知っているんだ

外側から無理やりあけようとしてもだめなのさ

ドアも窓も内側からしか開かないんだ

だから、そっとノックするのだよ

 

『どうしてようせいさんのせおいかごにはふたがないの?

ふたがあればことばがそとにおっこちたりしないよ』

それはね、背負い籠に蓋をするとことばが腐ってしまうのだよ

蓋をしたら呼吸ができなくなるからね。

いつも新鮮な風に触れているからことばはみずみずしいのだよ。

『ようせいさんのせおいかごってこわれちゃうことがある?』

時には壊れちゃうこともあるかもしれないね。

妖精さんにとって背負い籠はとっても大切な道具なのだ。

だから妖精さんは背負い籠の手入れを毎日しているよ。

籠が壊れそうになっているのを見つけるとすぐに直して、

また使っているよ。直すのがとっても上手なんだ。 

『ようせいさんのせおいかごってどのくらいのおおきさなの?』

おおきいのもあれば、ちいさいのもあるよ。

というよりも、ことばにふさわしい大きさに

大きくもなれば小さくもなる不思議な籠だよ。

『ようせいさんのせおいかごにはことばをたくさんいれられる?』

一度にあれもこれものことばは入らない。

大抵は一つ入ると満杯だよ。

けれども妖精さんは沢山いるから大丈夫さ。

子ども達は身を乗り出して訊きました。

「ねえ、ベンチさん。たくさんってどのくらいたくさん?」

そうだなぁ、数えきれないくらい沢山いるよ。

みんなのワクワクドキドキを全部合わせたくらい沢山だよ。

子ども達はベンチから立ち上がって

「わー、すごいなぁ」って叫びました。  


[PR]
by 09donpo11 | 2017-05-10 21:00 | ばぶさん童話 | Comments(0)

お話森の山小屋で (第8稿) ~1/4~


①あいことば

むかしむかし、ある国のかたすみに小さな村がありました。

その村はどこにでもあるごくごくふつうの村で、

村にはどこにでもいるごくごくふつうの子ども達が、   

ごくごくふつうの暮らしをしていました。

さてその村のとなりに大きな森がありました。

その森は不思議の森でした。

その森のまん中には小高い丘があり、

丘のてっぺんには広場がひとつありました。

その広場は不思議の広場でした。

その広場のまん中に山小屋が一軒ありました。

その山小屋は不思議の山小屋でした。

その山小屋には小さなドアがありました。

そのドアには看板がかかっていました。

その看板には不思議の文字でこう書かれていました。

「だれでもどうぞ。いつでもどうぞ。

ノックを3回してください。ドアが開きます。」

ドアの奥には小さな部屋がひとつありました。

その小さな部屋は不思議の部屋でした。

部屋の中では不思議の時間が流れていました。

部屋の扉には小さな貼り紙が不思議のピンでとめられていました。

その貼り紙には不思議の文字で「合言葉は『入れて』です。

『いいよ』と返事が聞こえたら扉を開けてください。」

と、こう書かれてありました。

さあ扉を開けたらどんな楽しいお話が待っているでしょう。

 ② 扉をあけた子どもたち 

森には素敵なこと楽しいことがいっぱいありました。

ある日、村の子ども達が8人、その森に出かけて行きました。

森の中には不思議の小道がありました。

子供たちがためらいもせずどんどん歩いて行くと

歩いていきたいその先につぎからつぎへと道ができました。

なぜってそれは不思議の小道だったからです。

その小道をどんどん行くと小高い丘が見えました。

その丘のてっぺんまで登っていくと見晴らしの良い広場に出ました。

その広場の真ん中に山小屋が一軒見えました。

子ども達は『よーい、ドン』と広場をまっすぐに突っ切りました。

息がハアハアする前にもう山小屋に到着しました。

なぜってそれは不思議の広場だったからです。

山小屋にはドアがあり看板が揺れて掛かっていました。

なぜ看板が揺れていたかというと

子ども達がみんな元気に走って来たからです。

大きな子どもも小さな子どもも

みんな一緒に声をそろえて看板の文字を読みました。

なぜ読めたのかというとその文字は不思議の文字だったからです。

「だれでもどうぞ。いつでもどうぞ。

ノックを3回してください。ドアが開きます。」

子ども達はドアをノックしました。

『トントントン』

シャラリラ シャラリロ シャラランラン

と鳴りながらドアが楽し気に開きました。

子ども達がドアの中に入っていくと

小さな部屋が一つありました。

部屋の扉には小さな貼り紙がありました。

その貼り紙は不思議のピンでとめられていました。

不思議のピンがプルプルっと小さくゆれながら言いました。 

「あいことばをどうぞ」

子ども達は声をそろえて言いました。

「い・れ・て」

すると部屋の中から

「い・い・よ」

と返事が返ってきました。

子ども達はわくわくしながら扉を開けました。 


[PR]
by 09donpo11 | 2017-05-10 06:05 | ばぶさん童話 | Comments(0)

ピーマン&ぴーまん、けれどぴーまん

子どもたちが始めた口喧嘩。悪口の「へっぽこあたまの、じゃがいもあたま」Vs「なかみからっぽぴーまんあたま」
中身がびっちり詰まっているジャガイモ頭のイメージに対して中身空っぽのぴーまん頭なのです。
さてこの『からっぽ』は視点を変えてみるとまんざらマイナスイメージだけではなさそうです。ばぶさん童話の中から今回は『からっぽ』というお話を紹介します。

 からっぽ  (第3稿)
   
   (前略)
「ここなにやさんですか?」
まいちゃんがにっこりと答えます。
「からっぽやさんです。」
「からっぽひとつくださいな。」
「どんなからっぽがいいですか?」
「どんなからっぽがありますか?」
「おおきなからっぽからちっちゃなからっぽまで
いろいろいろあります」
リュックの中をガサガサ探して
「それじゃぁ、このおべんとうばこにぴったりのからっぽください」
「ありがとうございます。どんないろのからっぽにしますか?」
「どんないろのからっぽがありますか?」
「どんないろのもあります。」
「じゃあ、ピンクのからっぽください」
「はい、かしこまりました。
えーと、どんなにおいのピンクがいいですか?」
「おはなのにおいのピンクをください」
「はい、かしこまりました。えーと、
あまいのと、すっぱいのと、にがいのと、しょっぱいのと あります。
どれにしますか?」
「う~~ん。あまずっぱいのはありませんか?」
「ええ~と、ごめんなさい。あまずっぱいのうりきれでーす。」
「うりきれですかぁ。あまずっぱいのがよかったんだけどなぁ」
「だいじょうぶです。いまからつくれますから、
ちょっとまっていてくれますか。」
「わーい、うれしいな。」
「では、このおなべのなかに、あまいのとぉ。それから・・・、
すっぱいのをいっしょにいれてぇ、かき・まぜ・まーす。
はーい、できあがりでーす。
ちょっとあじみしてみてください。どうでしょうか?」
しゅうちゃんは舌をぴちゃぴちゃ鳴らして味見しました。
「うーん、ちょっとあますぎです。」
「あますぎですか、それではすっぱいのをすこしたしてみますね。
あっとっと、たいへん、たいへん。ちょっといれすぎちゃいました。」
しゅうちゃんは小指で鍋のふちをさらってペロリ。
「あれ、さっきのとちっともあじがかわりません。」
「えっ、そうですか? かきまぜ方がたりなかったからかしら。
ちょっとまってください。ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる」
まいちゃんは腕まくりをするとお鍋の中をかきまぜました。
「ちょっとたいへんそうですね。」
「ええ、これってちからがいるんです。」
「おなべもっているのてつだいましょうか?」
しゅうちゃんはお鍋がぐらぐらしないように両手で支えました。
「わぁ、たすかります。ありがとう。
ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる。はぁ。」
「だいじょうぶですか?」
「あせがめにはいりました。すみません。
ちょっと、ぐるぐるこうたいしてくれますか?」
「ええ、いいですよ。ぐるぐるぐる、こんなかんじでいいですか?」
「うわぁ、あなたじょうずですね。」
まいちゃんに褒められてしゅうちゃんは嬉しくなりました。
「それほどでもないですよ。ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる。」
「いやぁ、あたしよりもだんぜんじょうずです。」
「そうですか?ぐるぐるぐる、ぐるぐるぐる」
「けっこうちからがいるでしょう。だいじょうぶですか?」
「ええ、だいじょうぶです。ぐるぐるぐる、ぐるぐるるるるるぅ」
「なんか、さっきよりもだんだんスピードがでてきていますよ。」
「そうですかぁ?。ほんきでやったら もっとスピードでますよ。
ぐるぐる るるるる ぐるぐる るるるる
ぐるるる るるるる るるるる るるるる うんうんうーんうん」
「ストーップ」
「きゅきゅぅうううう。」
やっとかきまぜるのを止められてしゅうちゃんはほっとしました。
「わーっ、きれいなピンクいろになっていますねぇ。
わーっ、あなたのほっぺもきれいなピンクです」
「いやぁ、ちょっとだけくたびれました。」
「そうでしょう。そうでしょう。おみずいっぱいいかがです?」
「ありがとう。ごくごくごく。おいしかった。ごちそうさま。」
「ちょっとあじみしてみましょう。ぺろり・・・うう~ん」
「どうですか?」
「あなたもあじみしてみてください。はいどうぞ」
「ありがとう。ぺろり・・・うう~ん」
ふたりはいっしょにいいました。
   (後略)
ぴーまんの果肉に包まれたあの空間はどんな『からっぽ』?どんな意味がある?
おいしさの余白であり、ピーマンの夢や希望が詰まった『うろ』であり、ピーマンの果肉のおいしさを作り出すための必然がからっぽを作り出しているのです。この形状ちょっとシュークリームにも似ていますね。

[PR]
by 09donpo11 | 2015-12-06 10:43 | ばぶさん童話 | Comments(0)

このごろ何故かピーマン&ぴーまん、

最近はほぼ連日のようにぴーまんを調理したものを含めた食事にはまっています。
調理に使えば使うほどぴーまんへの恋心(?)が深まりつつあります。
ぴーまんは一つ一つの形が個性的です。造形的にも楽しくて『美』を感じます。
先ずはぴーまんを取り込んだばぶさん童話から『わるぐちけんか』のご紹介です。
この童話を書いたころの私は食材としてのぴーまんをことさら好きではありませんでした。

 『わるぐちけんか』 (第2稿)


もうじき夏です。どうぶつ村のこども園では
みんなが一人一本ずつ畑にきゅうりの苗を植えました。
毎日せっせと世話をしたので、苗はぐんぐん大きくなりました。
やがて黄色の花が咲き小さなちいさなきゅうりができはじめました。
「ぼくのほうがりっぱだぞ」 とリス君が得意になって言いました。
「あたしのほうがおおきいわ」 と猫ちゃんが負けずに言い返しました。
「なんだぃ、ねこちゃんのきゅうりなんて へぼきゅうりじゃないか」
とリス君は自分のきゅうりを撫で撫でしながら言いました。
「へぼきゅうり? よくもいったわね、なによ へぼへぼきゅうり」
とねこちゃんはシッポをくねくね言いました。
「へぼへぼきゅうりだってぇ。なんだい、あばばのばぁ の ばあーたれぷう」
リス君はあっかんべぇをしながら言いました。
「なによ、びびびのびぃ の い~だらり」
と猫ちゃんは両方の人差し指で口を横に大きくひろげていいました。
「しっぽくねくねへびしっぽ」 と言ってリス君は 
猫ちゃんのシッポみたいに体をくねくねくねらせながらいいました。

「へびしっぽだってぇ、うええええん」
とうとう猫ちゃんは泣きだしました。
その泣声を聴いてへび君が穴の中から出てきました。
「だれだ、ぼくはねこのしっぽなんかとちがうんだぞ。
ぼくのからだはあたまのてっぺんからしっぽのさきっぽまで
ぜんぶぜんぶ、ぜ~~ぶへびなんだぞ。
ねこちゃんリス君に言ってやれ『ぼさぼさシッポのけむししっぽ』って」
へび君に励まされて猫ちゃんは元気を取り戻してリス君に言いました。
「あんたなんてなにさ、ぼさぼさシッポのけむししっぽ」

「 ぼさぼさシッポのけむししっぽ だってぇ、
うえーえ えん えん うえーえ えん えん」
リス君のその泣声を聴いて
木の高い処の葉っぱの先から ぴゅ~~~と糸を伸ばして
空中ブランコみたいに けむし君が降りてきました。
「はなしはすっかりきいてたぞ。りす君まけるな。
ねこちゃんとへび君にいってやれ。
『おたんこなすのあんぽんたん』っていってやれ」
リス君は大きく息を吸い込んで
「よぉおおし、おたんこなすのあん・ぽん・たーん」といいました。
「おたんこなすの あんぽんたん だってぇぇぇ」
猫ちゃんとへび君は二人揃って大きな声で泣きました。
猫ちゃんとへび君の悲しい鳴き声を聴いて
猫ちゃんと大の仲良しのウサギちゃんが
ぴょんぴょんのぴょ~んと駆けつけました。
「ねこちゃん へび君、あたしが来たからもう大丈夫よ。
あのふたりにいってやりなさい。
『とんちんかんのどてかぼちゃ』ってさあ、はやく言って」
ウサギちゃんの応援で猫ちゃんとへび君は元気百倍いいました。
「とんちんかんの どて・かー・ぼちゃ」

「とんちんかんのどてかぼちゃぁだってぇぇ。うえーん えん えん」
リス君とけむし君は大きな声で泣きました。
その時高い木の枝から枝へ幹から幹へぱ、ぱ、ぱ、ぱ、ぱっと
まるで忍者のようにサル君がやって来て決めポーズでいいました。
「そこまでだ。
ここはおれにまかせろ。
リス君けむし君あの三人にいってやれ。
『へっぽこあたまのじゃがいもあたま』って」
「よおおし、そっちのチームなんかぁ・・・
『へっぽこあたまのじゃがいもあたま』
どうだぁ、まいったかぁ」
「なにさ、そっちのチームこそ
『なかみ・からっぽ・ぴーまんあったま』 ぱふっ ぱふっ ぱふっ」
「おまえのかあーちゃんでーべーそっ」
「おまえのとうちゃんげろげろぽん」
「みみくそはなくそ ぷ ぷ ぷぅー」
もうみんなめちゃくちゃのぐちゃぐちゃになって
わるぐちをいいあいました。
そのとき 近くの学校の鐘が 
「きーん。こーん。かーん。こーん。
きーん・こーん・かーん・こーん。」
となりました。すると誰かのおなかが
ぐぅーっ
となりました。
「おなかがすくからかーえろ。 
けんかやーめんっぴ、 
いーち ぬけた。」
「かえるがなくからかーえろ。
にー ぬけた。」

[PR]
by 09donpo11 | 2015-12-05 13:25 | ばぶさん童話 | Comments(0)

ゴリちゃんとリラちゃんに空が聴かせてくれたお話し

ばぶさん童話 ゴリちゃんとリラちゃんより
第8話 ゴリちゃんリラちゃんのサイクリング (第3稿)
   
ごんごり川の土手の道が、
今月新しく「サイクリング専用の道」に整備されました。
そこでゴリちゃんとリラちゃんはサイクリングに出かけました。

ごんごり川の土手の道 チリリン チリリンとベルを鳴らし
元気よくペダルを漕いでいくゴリちゃんとリラちゃんです。
風がとっても気持ちいいです。
すると、その風に交じってとってもいいにおいがします。
甘いバニラエッセンスのような香りです。
ゴリちゃんはペダルをこぐのを止めて大きく息を吸いました。
「リラちゃん、なんかとてもいいにおいがするよ。」
「ほんとうだ、どこからにおいがくるんでしょう」
「しらべてみよう」
二人は自転車から降りました。
「あっ、このきからいいにおいがしてくる」
その木には名札がついていました。
「なんてかいてある?」
「えーとね、『カラクニオガタマの木』だって」
「へえ~『カラクニ・オガタマ』かあ」
ゴリちゃんはもう一度、思いっきり花のにおいをかぎました。
「ほんとうに、いいにおいだね」
アイボリーホワイトの小さな花びらがばらばらになって、
木の根元に沢山降り積もっていました。
「これおみやげにしよっか」
「うん、ママきっとよろこぶわ」
二人は花びらを手のひらいっぱいに拾うと
ポケットに詰めました。
「ちょっときゅうけいしよう」
ゴリちゃんとリラちゃんはロクジ大橋の南側の土手に寝転んで、
思いっきりぐぅ~んと手足を伸ばしました。
「はああ~あ~」
「いいてんきだね」

二人が空を見上げていると空が素敵なお話をしてくれました。
それはこんなお話でした。

『白い雲が そらに ぽっかり とありました。
「あるある、あのくものことだ」
風が ぷふぅっ と吹いてきました。
「あっ、ふいてきた、ふいてきた。」
白い雲は ふわぁっ と押されて 
驚いて「うひょっ」と言いました。』
二人はにこにこうなずくと「うんうん」といいました。

『白い雲が 空に ふわぁ っとありました。
風が ぴゅ―ぁあ と吹いてきました。
白い雲は びよぉおお っと押されて
面白そうに「わ~~い」と言いました。』
二人はわくわくしながら「うんうん、それから?」といいました。
『白い雲が 空に びよぉおお っとありました。
風が だばぁああ と吹いてきました。
白い雲は どひゃぁあ っと押されて
「あれ~~」と言いました。』
二人はハラハラしながら「うんうん、それから それから?」

『白い雲が 空に どひゃぁあ っとありました。
白い雲のおなかに ぽっかり と穴ぼこがあいてしまいました。
風が ぴろぴろぴろぴろぉお と吹いてきて
「とんねる くぐってもいいですか」
と訊きました。』
二人はドキドキしながら「うんうん、それで それで?」

『白い雲は「ちょっとだけならいいですよ。
・・・ひゃぁあ~、くすぐった~い」
といって体をねじりました。
風は「でられなくなっちゃったよぉお」って言いました。
白い雲と風は「わっはっはっは」って笑いましたとさ ~おしまい~』

ゴリちゃんとリラちゃんは空に向かってパチパチパチと拍手して
大きな声で『はっはっは』と大笑いしました。
「そらさん、ありがとう。おもしろかったよ」
「じゃあ、またね」
ゴリちゃんとリラちゃんはまた自転車に乗って
土手の道をチリリン チリリンと走っていきました。 

~お・し・まい~


[PR]
by 09donpo11 | 2015-11-14 10:13 | ばぶさん童話 | Comments(2)

リニューアルした自転車はゴリちゃんの心もリニューアル

ばぶさん童話 『ごりちゃんとりらちゃん』より
第7話 ごりらパパさんの自転車教室  (第3稿)

物置小屋をがさごそがさごそ
ごりらパパさんは朝早くから大掃除
「どこやっちゃったかなぁ・・・。確かここに・・・」
あっちの荷物をこっちに動かし、こっちの荷物をあっちに動かして
いったい何を探し物しているのでしょう。
「おや、このカバーをかけてあるものは何だったかな?」
パパさんはずるずると物置小屋の外に引っ張り出しました。
埃をぷっぷっぷーのパタパタパタとやってカバーをはずしました。
「おんやまぁ、こりゃ懐かしい。」
肝心の自分の探し物をやめて、あちこち撫でまわしました。
「パパなにやってんの?」
「うん、パパが子どもの時に乗っていた自転車だ。」
「ちょっと、おんぼろっぽくない?」
「大丈夫だ。どこも壊れていない。
ちょっとあちこち色が剥げているが
錆を落として油をさして ペンキを塗りなおせば・・・OK!」
次の日の朝早くから大張り切りのごりらパパさん。
「じゃ~~ん。かんせ~い。大成功。よくガンバリました。」
パパさんは自分で自分を褒めました。
「ぱぱぁ。ママがおひるごはんだってさ。・・・なにやってんの?」
「やあ、ごりちゃん。見てごらん。昨日の自転車。」
「わー。ぴかぴか」
「そうさ、ぴかぴかのしんぴんのぴんだ。
名付けて『ピカシンⅡ世号』パパからゴリちゃんへのプレゼントだ」
「・・・」
「おやぁ、なんだかあんまり嬉しそうじゃないね。」
「だって、ぼく、じてんしゃきらいだもん・・・」
「どうして嫌い?」
「だってぼく、じてんしゃうんてんできないんだもん」
「大丈夫さ、パパが上手に運転できるように教えてあげるさ。
上手に乗れるようになったら楽しいぞ。なんてったて
自分の好きなところに何処へだって行けちゃうんだぞ。」
お昼ご飯を食べ終わるとごりらパパさんはゴリちゃんを肩車して
鼻歌を歌いながらピカシンⅡ世号のところに来ました。
自転車はぴかぴかのしんぴんのぴんで
ごりちゃんとパパを待っていました。
「さあ、練習れんしゅう・・・おや、どうしたんだい?」
「だって、ぼく、じてんしゃこわいんだもん・・・」
「どうしてこわい?」
「だってぼく、ころぶといたいからこわいんだもん・・・」
「大丈夫さ、だれでも最初は転ぶことだってあるさ。
転びながら上手になるんだ。」
「でもいたいから、やだ」
「大丈夫、上手に転べばいいのさ。」
「じょうずにころぶとどうなるの?」
「上手に転ぶとちょっとだけ痛い。」
「じょうずでなくころぶとどうなるの?」
「上手でなく転ぶと『へたっぴー』になる。」
「じゃあ、『もっとへたっぴー』にころぶとどうなるの?」
「そうすると『へたっぴーのぴぃー』になる。」
「じゃあさぁ『もっとへたっぴーのぴぃ―』にころぶとどうなる?」
「そうだなぁ『へたへたぴっぴのぴっぴりぴっぴぴー』になるな。」
「・・・じゃあさ『もっともぉーっともぉーっと…』なったら・・・」
「牧場の牛がみんなして『も~~~ぉ』と啼いて
へたへたぴっぴのぴっぴりぴっぴぴーが
カミナリさんと二人で空から落っこちてきて
『おおいててて』ってお尻をさすって、
お山のカラスが『カー』っと鳴いて
お池で蛙が『ケロケロ』って騒いで、
もう、町中がシッチャカメッチャカになるだろうな」
ごりちゃんは顔をしかめてお尻をさする真似をしながら
「あはははは」って笑いました。

「さあ、練習れんしゅう」
だいじょうぶっかなぁ」
「ブレーキに手をかけてハンドルを軽~く持って、
ペダルを…おっとそうか。やり方替えよう。
ゴリちゃんこっちの道の少しだけ下り坂で練習だ。
ペダルはまだ漕がなくて大丈夫。」

よろよろもたもた、よろよろおっとっと。
ちょっとスピードが出てくると
ゴリちゃんはブレーキをききーっと握りました。
ごりらパパさんは坂道が終わると、
もう一度スタート地点まで自転車と
っゴリちゃんを押して戻りました。
ゴリちゃんはどんどん上手になってきました。
そして10回目の運転の時には何とゴリちゃん得意のでたらめ歌で
♬よーろよろ もーたもた、よろよろおっとっと
  よーろよろ もーたもた、よろよろおっとっと 
 じーてんしゃ じーてんしゃ よろよろおっとっと
  あっちいって こっちいって よろよろおっとっと ♪
と鼻歌を歌いながら自転車を運転しました。
「ゴリちゃん。楽しいかい?」
「うん。たのしーい。ぼく、じてんしゃ、だいすきだ。」
「あっとっと。」
すってーん。
「おっ。ゴリちゃん、今の転び方、ぴんぽ~ん。大成功。」
「ちっともいたくなかった。」

よろよろもたもた、よろよろおっとっと すって~ん。ずりっ。
「よっ、転び名人!また明日も練習しよう。」
「パパァ~、いまのいたかったぁ~」
「そうかぁ。痛かったら泣いてもいいぞ。
『痛いの痛いの、夕焼雲までとんでけぇ~』っと」
パパは痛いの飛んでけダンスを踊りました。
「とんでけ~」
と、ごりちゃんもまねっこで二人一緒に踊りました。
                 
~お・し・まい~



[PR]
by 09donpo11 | 2015-11-08 13:41 | ばぶさん童話 | Comments(2)

リラちゃんの作ったクッキーは・・・

ばぶさん童話『ゴリちゃんとリラちゃん 』より
第6話  クッキーリラちゃん   (第3稿)

昨日ゴリラのリラちゃんがクッキーをたくさん作りました。
薄力粉・砂糖・溶かしたバター・卵・牛乳・塩少々
さくさくかき混ぜモミモミこねて
伸ばして丸めてくるりとねじって・・・。
リラちゃんのクッキー作りも今度で3回目です。
1回目はパパの誕生日のプレゼントに、ママと一緒に作りました。
2回目はママの誕生日のプレゼントに、とママと一緒に作りました。
クッキーを食べたくなったので
3回目は誕生日ではないけれど自分のために作りました。
もうすっかりクッキー作り名人ですから
今度は一人で作りました。
とってもはりきって作ったのでずいぶん沢山できてしまいました。
食べても食べても食べきれません。
「そうだ、いいことおもいついた。
ゴリちゃんにもあたしのクッキープレゼントしちゃおう。」
リラちゃんは素敵な絵が描いてあるお弁当箱を
ママから貸してもらうと いろいろな形のクッキーを
お弁当箱の中にきれいに並べて入れました。
クッキーたちはちょっとおすましをして
よそいきの顔をしています。

まあるいクッキー しかいくいクッキー さんかくのくっきー 
ハートのクッキー リボンのクッキー ゆびわのクッキー
おほしさまのクッキー チューリップのクッキー
めがねの形のクッキー ドーナツみたいな形のクッキー
お弁当箱の中はなんだかとっても楽しくなりました。

リラちゃんは一番お気に入りのハンカチで
お弁当箱を包みました。
この間から練習していたちょうちょう結びも不思議なことに
今日はたったの一回でとってもかわいい蝶々の形に結べました。
♪ランララーラ ラン ランララーラ ラン ♪
リラちゃんはスキップで歌いながら、
ゴリちゃんのとこに行きました。
ところが途中で石ころに躓いて
「あっ!」っと、転んでしましました。
ちょうちょう結びで包んだお弁当箱は
リラちゃんの手をすり抜けてカラカラコロコロロン。
その時ちょうど自転車に乗ったゴリちゃんが
チリリンと通りかかって 急ブレーキでキキーィ。
自転車からぴょいっと飛び降りると
「りらちゃん。だいじょうぶかい?」とたすけ起こしてくれました。
「はい、リラちゃんのおべんとうばこ。」
「ありがとうゴリちゃん。これゴリちゃんにプレゼント。
あたしのつくったクッキーよ。おいしいわよぉお。」
「じゃあ、あそこでいっしょに食べようよ」
リラちゃんはちょうちょう結びを解くと
お弁当箱を開けクッキーを見ました。
二人は同時にさけびました。
「あっ!」「わーい」
「あっ! あたしのつくったクッキーのかたちが・・・」
「わーい。こんなにたくさんいろんなかたちのクッキーだ。
うれしいなぁ。たのしいなぁ。 これはなんだろう? 
ヨットにでんしゃに、こっちはヘリコプターかな。
『バキューン』って てっぽうのクッキーもあるぞ。
これはなにかな…じどうしゃに、ひこうき。
あっ、ふたごのかいじゅうだ。おばけもいるぞ。
リラちゃんこれぜんぶぼくにくれるの?
ボクの大好きなものばかりよくこんなにたくさんしっていたね。
リラちゃんってほんとうにすごいなぁ。」
ゴリちゃんがとっても喜んでくれたので
リラちゃんも嬉しくなりました。

                          ~お・し・まい~


[PR]
by 09donpo11 | 2015-11-07 12:23 | ばぶさん童話 | Comments(0)

アヒルになったゴリちゃん

ばぶさん童話 『ゴリちゃんとリラちゃん』より

第5話 グゥワッグゥワッゴリちゃん  (第3稿)

キィコ キィコ キィコ
ブランコは小さく揺れます。
乗っているのはゴリちゃんです。
「ごーりーちゃん」
「あっ、リラちゃん。ほら、みてみて、ぼくすごいんだよ。
リラちゃんみたいにブランコ、たちのりできるようになったんだ。」
「すごいね。ゴリちゃん、・・・こわくないの?」
「うん、もうこわくないもん。」
「それじゃあ、あたし、ブランコおしてあげる。えい!」 
キィーコ  
「こここここっ・・・」
「だいじょうぶ?」
「こ、こ、こわ~~く・ない」
「あっそぅ。おっこちないようにつなをぎゅっとにぎって」
「うん、わかった。」
リラちゃんはブランコをさっきよりももっと元気に押しました。
「それ~~。」 ギィイーコ 
「こここここ・・・」
「こわいのぉ?」
ごりちゃんたらぐっと我慢して
「こけこっこーぉ」
とニワトリの鳴き真似をしました。
ギィイーコ  
ギィイーコ
それでもブランコの大揺れにだんだん身体が慣れてくると
ギィイーコ
「あはははは」
ゴリちゃんは全然怖くなくなって今度は嬉しくなりました。
「だはははは」
もっと嬉しくなって沢山ブランコしたくなりました。
「かーわって」
「やだ~」
ギィイーコ ギィイーコ ギィイーコ
「うひょひょひょひょぉ」
「かぁーわって」
「だめぇ~」
ギィイーコ ギィイーコ ギィイーコ
「ひゃーほほはぁ~。けけけけぇ」
「かーわって。かあ―わってっ。」 
「やぁーだぁーよっグゥワッ」
「かわって かわって かわってぇ」
「グゥワッ、グゥワッ、グゥワア~。」
その時ゴリちゃんのお尻がむずむずしました。
ぴょこ~~ん
なんとお尻にアヒルのしっぽのような羽が出てきました。
「かわってぇー」
「グゥワッ、グゥワッ、グゥワア~。」
今度はゴリちゃんの足がむずむずしたかと思うと
あっという間にごりちゃんの足はオレンジ色のアヒルのような足に変わってしまいました。
ギィイーコ ギィイーコ ギィイーコ
「かわってぇー」
「グゥワッ、グゥワッ、グゥワア~。」
といっているそばからゴリちゃんの口がむずむずしてきて
ニョキッと
すっかりアヒルのくちばしになってしまいました。

びっくりしてごりちゃんは思わず綱を放したので
ブランコからどっしーん・・・と落ちてしまいました。
「う~~ん、う~~ん、 う~~ん。」
「ごりちゃん、ごーりーちゃん。
おきてよ。おきてってば。おーきーて。」
「あ、リラちゃん。おはよう。
あれっ、ない、ない、ないぞーぉ。あーよかった。」
「なんかこわいゆめでもみていたのね。
ねぇ、ねぇ、もうたくさんおひるねしたでしょ。
あたしといっしょにブランコのりしてあそぼうよ」
                                   ~お・し・まい~


[PR]
by 09donpo11 | 2015-10-31 21:11 | ばぶさん童話 | Comments(0)