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カテゴリ:ばぶさんな童話( 3 )

ばぶさんな童話 トマトと菜っ切り包丁と

トマトは菜っきり包丁の恋人

トマトが大好きです。おいしいです。
毎回ときめきながら食べます。おいしいからです。
トマトはお塩でも、お醤油でも、ソースでも、もちろんマヨネーズでもおいしいですが、
最近私が気づいたのは、『トマトは何もつけないでそのままで十分味わえる楽しい味』だということです。
トマトは品種改良が進んで昔と比べるとずいぶんおいしくなりました。が、さらに美味しさを増しつつある進化形の野菜です。
かつては熊本県の八代産のトマトにこだわりをもっていました。なぜならダントツにおいしいからです。ですが、最近はどこ産でもかなり八代産に近い味のものと出会えることも増えました。あとは自分自身の選定眼のセンス(直観)だろうと思っています。

できればなるたけ完熟に近いものを買い求めます。
一個単位のばら売りの時なら全く躊躇しませんが、
何個かで1パックという売られ方をしているときには結構悩みます。
一度の食事で3個も4個もは食べられません。せいぜい1~2個です。
トマトは冷蔵室の中でも「追熟」します。
ですから全部を『いい熟し加減の内に食べきる』このへんの食のスケジュールとの兼ね合いで悩みます。過ぎたるは及ばざるがごとしですもの。トマトもまた然り。熟しすぎたトマトは危うく儚いです。

熟したトマトをまな板の上で食べやすい大きさに切り分けます。
包丁がよく切れないとあのおいしい果汁が無駄に流れ出てしまいます。
くちびるをとんがらかして、まな板の上に流れ出たトマトの果汁をバキュームするのは、
ちょいと品がないので極力しません。

包丁がスパッと切れて、トマトさんが『あら私いま切られたの?』と躊躇して果汁を流す暇を与えない様な切れ加減がベストです。
果汁をたらさずに切り分けられた時私は得意気にほくそえみます。
そこで菜っきり包丁です。『錆びないけれども、切れ味がいまいちなステンレスの包丁』よりは、『うっかり手入れが行き届かないとすぐに錆びついてしまう鉄製の包丁』のほうが私は好きです。良く切れるからです。切れ味が全然違います。
鉄製の包丁はトマトを切ることによって『現時点での切れ味具合』を如実に教えてくれます。
つまりトマトが菜っきり包丁の『切れ味』のセンサーになってくれるのです。
切れ味が落ちたなと感じたら包丁を砥石で研ぎます。面倒ではありません、だって『良い切れ味を再生』している行為なのですから砥石で研いでいる時にもワクワク感があるからです。

包丁は砥石の上で呟きます『ああ、あの愛しいトマトさんと又出会える。待っててね、今研ぎあがるからさ』私はいそいそと包丁を研ぎます。

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by 09donpo11 | 2014-07-25 00:04 | ばぶさんな童話 | Comments(0)

私のオタマジャクシは世界をめぐる

自分の知らない音楽世界への窓口

私にとって、日本民謡だけでなく、世界中の民謡や民族音楽、伝承音楽には理屈じゃなくて、聞いていて血が騒ぐというかワクワクときめくものがあるのです。
そこには自分の全く知らない文化や音楽や人々の生活に触れられたり、思いを馳せたりできる喜びや感動があるからです。不思議としか思えないような音楽、例えば、モンゴルのホーミーだとか、オーストラリアのアボリジニーのディジュルディーだとかイヌイットやアイヌのムックリだとか…、本当に沢山の不思議な音楽があります。
私は「人間」が好きなのです。『人間観察』は面白いです。

何語を話し、何語で思考しているかによってそこからいざなわれてくる音楽やリズム形態も様々に変わってきます。日本語では母音が5種類しかありませんが、その国によってはもっと沢山だったり逆に少なかったりだとかです。
21世紀に入ってグローバル化が進みあらかたは『英語』なり「○○語訛りの英語」だったりに触れる機会が増えつつありまが、私は時として英語以外の言語で歌われている音楽を無性に聴きたくなります。スペイン語やドイツ語は勿論のことスエーデン語やノルウェー語やオランダ語だったり、ギリシャ語やハワイ語であったりマケドニア語であったりウイグル語やペルシャ語やタガログ語であったり…。子守唄などは特にその国のもともとの歌詩で聴いてみたくなります。言語は違っても子供をあやし穏やかな眠りに誘うその心情には共通する心持がるからです。

資本主義の経済原則からはみ出した音楽の世界で『音と戯れる喜び』の醍醐味をたまたま見出してしまった私は20代の中頃から30代にかけて中南米のフォルクローレをむさぼるように聴いて楽しんでいました。
そして今、50代後半から60代に入って『ドイツ語圏のフォルクローレ(?)』を楽しんでいます。その途中の20年間では、スラブ語圏並びに東欧諸国の民族音楽や民謡に強烈にはまっていました。
音楽の面での情報との出会いがあるかないかは大きな要素で、まったくたまたまではあるのですが、例えば、ハワイアンだとか、イスラムやアラブ&インド文化方面の音楽と出会える機会というものは実に稀でしたが、もしも出会いがあればそちらの方にもそうとうに傾斜しただろうと思います。

YouTubeはその存在の是非をめぐって際立って賛否両論に溢れている世界であろうと思いますが、私にとっては大変ありがたい『感動と発見への窓口』なのです。

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by 09donpo11 | 2014-07-24 00:00 | ばぶさんな童話 | Comments(0)

ばぶさんな童話 「ものづくりの妖精さんたち」


『ものづくりの妖精さんたち』
  
  まず妖精さんのこと

妖精さんって何でしょう?

最初に断わっておきますが、私の語る妖精さんは魔法使いではありません。
悪戯好きの妖精さんたちとも一寸ばかり違う妖精さんです。

この世の生きとし生けるものすべての人にそれぞれ、
その人の妖精さんがいるのですよ。
しかもいろいろな妖精さんが実に沢山いるのですよ。

私の場合で言えば、『ものづくりの妖精さん』『ことばの妖精さん』
『おはなしの妖精さん』『音楽の妖精さん』・・・
その数は数えきれませんがとりあえず、
満点の空いっぱいの妖精さんがいるとお考えください。

私にとって私の妖精さんは、みんな私を煽ってくれる御贔屓さんです。

もしもあなたがシンガーソングライターでどこかのホールでライブをしたとします。
その時ホールいっぱいに詰めかけた観客(ファン)のすべてが妖精さんです。
その盛大な拍手を浴びてあなたは歌います。
いつも以上の実力を発揮しているシンガーがあなたです。

イメージできましたか?それでは別の角度からお話を続けましょう。


  私と妖精さんたち

妖精さんたちを見たことはありません。
でも、妖精さんたちの気配を感じることはしばしばです。
気がつくとすぐ傍に来ているというのがほとんどです。

そして、また気がつくと
もうどこかに出かけた後のようで、あたりに気配がありません。
妖精さんたちは気まぐれなのでしょう。
それでいいのだと思います。
そのようにして大昔から息づいてきたのだろうと思います。
きっとこの先もずうっとそのように息づいていくことでしょう。

妖精さんたちは
「次はいついつ何時に来るね」
なんて約束もしないうちにいなくなっています。

妖精さんたちに話しかけても返事はしてもらえません。
ですから私は返事を期待したり強要したりせずに話しかけます。

私は妖精さんたちにひたすら話しかけ
妖精さんはひたすら話を聞いてくれます。

拒否なんてしません。すべて聞きとってくれます。
妖精さんは返事をしてくれませんが、その代わり拍手してくれます。

ひそやかな拍手の時もあれば、
盛大な熱烈な大拍手の時もあります。
その拍手を浴びると私の中の潜在能力の華が開花します。
自分で閃いて開花するのか、
妖精さんに閃かせてもらっているのかどっちだかは解りません。 

そしてその閃きを得た時、妖精さんたちの拍手は
その体内にまだまだ沢山の潜在能力の華の蕾が
揺らぎながら眠っていることを実感させてくれます。

  そしてものづくりの妖精さんたち

さまざまな妖精さんたちが居る中で
私の所にいちばん最初に来てくれていたのが
ものづくりの妖精さんたちです。

思い起こせばその自覚もないままに30年以上も前から共に暮らしてきてました。
それなのにものづくりを始めたあの頃は
ものづくりの妖精さんたちがいることさえも思い及びませんでした。
自分自身に対して夢中だったからです。

そして何年か経った頃
ものづくりの妖精さんたちの拍手が心に伝わってくるようになると、
ふと立ち止まっては、思いをさまざまに馳せてみました。

「あれ、この感覚はなんだろう?(けれども、なんだかわからない)」
「もしかして、これはモノづくりの妖精さん?」って思ったりもしましたが、
それでも、ものづくりの妖精さんは私の知らないどこか遠くにいて、
そこから気紛れに私のところにやって来るものと解釈し
そのようにすっかり思い込んでいたのです。

ところが、どうやらそれは違っていました。
ものづくりの妖精さんは私のすぐ傍に本当にいるのです。
たとえば睫毛の先くらい、近過ぎるくらい近い処に妖精さんたちはいるのですが、
あまりに近すぎてかえって見ることも感じ取れることもできません。

還暦過ぎて気がついたのですが、
ものづくりの妖精さんたちは私の外側にいるのではなくて
むしろ私の内側で、あらかたは眠っているのです。

たまにはうたた寝していることもありそうですが
大抵は爆睡していることのほうが圧倒的に多そうです。
いつ目覚めてくれるのかは見当もつきません。

けれどもいろいろな妖精さんたちと
一緒の生活を愉しむ甘美な習慣がすっかり身に就いたおかげで
最近では妖精さんたちの覚醒や、到来の気配を感じ取れやすくなって、
時には到来の予感めいたものさえも感じます。


実に幸せな、実にありがたいことです。



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by 09donpo11 | 2014-07-09 00:01 | ばぶさんな童話 | Comments(2)