ばぶのばぶなひとときをご紹介します
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カテゴリ:ものづくりのあれこれ( 3 )

虔十公園林・考 ④虔十さんの「縄の帯」と私の勝手な想像  

このお話しの冒頭です。

『虔十はいつも縄の帯を締めて、笑って、森の中や畑の間をゆっくりと歩いているのでした。』


冒頭の文の中の「いつも」も「笑って」も多分そのようであったんだろうなと想像が付きますが、それにしても、何故「縄の帯」なのでしょう?

クイズの答えを考え出すように皆さんもそれぞれにこの問いに御自分なりの解釈を添えてみてください。

ここからは私流の解釈を添えてみます。

実はこの縄はある付加価値のついた特別な縄なのです。

ある日、虔十さんのお父さんが縄を綯()っているところに出合いました。

その前日、お父さんが藁を木槌で叩いて繊維を柔らかくしている作業に出合い「面白そう」「何をしているんだろう」「どうしてそんなことしているの?」と興味をそそられました。

「どうして?」「なぜ?」の質問が次々跳び出します。幼児にもある時期集中してどうして?、何故?、なんで?、の連発の時代があります。

お父さんはそれらの一つ一つの質問にどのように答えを返していたでしょうね。

そして次の日です。昨日の藁(植物)を数本束ね、手のひらで縒りお父さんの手のひらからは一本の縄が生まれ出てきます。まるで手品です。実に不思議です。

虔十さんは目をキラキラとさせて注目していたでしょう。

そして自分もやりたい、やってみたいといったことでしょう。幼児も「じぶんで」「やりたい、やりたい」とせがみまくる時期があります。虔十さんはもう13歳くらいになっていたでしょうからやたらなせがみ方は慎んでいたことでしょう。幼児さんよりはちょっとお兄さんです。

お父さんから「縄綯(なわない)」縄の綯い方を教わります。両のてのひらで均等の力をコントロールして綯い続けるのは結構難易度の高い作業です。そして根気よく綯い通しました。一本の「縄」を縒り上げ完成しました。生まれて初めて自分で縒った処女作の縄です。

興奮しまくりで「できたぁ」「みてみて」と連呼します。

お父さんはその縄を虔十の腰にベルトのように結んでくれました。
大いに気に入りました。だから虔十はいつも縄の帯を締めていたのです。

もう一年以上もこの縄の帯を毎日飽きずに締め続けて暮らしているのですから田打ちをしていた家の人たちのところに走ってきて『
700本の杉を植えたい』といってきたときにはきっとテカテカと艶やかな光沢を持った上品な縄の帯だったことでしょう。


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by 09donpo11 | 2017-04-15 08:28 | ものづくりのあれこれ | Comments(0)

丁寧な暮らし


たとえば朗読会で朗読を発表するというのがその都度「当面の目標のひとつ」でもあるのですが、そのことをきっかけに一つの作品とじっくり向かい合い繰り返し繰り返し練習します。それを録音して、後からじっくりと聴き返します。そして一つ一つ微細な改善点(新たな課題)を見つけ出し再び声や形にします。幼年童話の創作もこのところ集中的に新作を綴り出し文章や言葉を推敲しているのですが、どちらも注意深さと丁寧さが求められる行為です。
朗読を始めて8年半、童話の創作を初めて4年ですがどちらも自分自身の内面のより一層深いところへ入っていく『自分探し』『自分自身の発見』の行為です。今日は実りの多い一日でした。
多少なりとも興味を持たれた方には『是非あなたも始めてみませんか』と、お勧めの丁寧なひと時です。


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by 09donpo11 | 2014-03-21 00:20 | ものづくりのあれこれ | Comments(0)

アップしそびれた日記 シリーズ ものづくり志願 第3部・・・加工の心映え その1 (2014/1/13)

今回から時折工房日誌のようなエッセイを断続的に綴っていきます。
ちょっと表現が解りにくい文章となりますので、興味のない方はどうぞスルーしてください。
専門性を極めることはいわば地中深く穴を掘るような行為でもあります。深く掘れば掘るほど周囲は見えなくなります。こうしたリスクを自覚しつつ、今まで創作してきたデザインを洗いなおしていきたい心境が色濃くなっているこの頃です。

◆加工の心映え ―――ルーズなデザインをタイトに加工する

「工房ばぶ」を開設し23年。この間、主に無垢の一枚板の類と榀合板(準両面・12ミリ厚)を扱って作品造りをしてきました。
その23年間でおおきく質の変わってきた素材の一つが合板(榀合板)です。
20年前の榀合板を知る者にとっては現在流通している榀合板は格段に質が落ちました。
品質の変化によって加工はしやすくなりましたが、材が柔くなって作品の耐久性が落ちました。
或いはかつてのものよりも材質が数段堅くなって加工しづらくなったものの、それでいて材質は意外と粘りがなくてもろく欠けやすいものになりました。
けれども致し方のない世界状況ですから、現在入手できる板を使い続けるしかありません。

そこでこれをカバーしクオリティーを維持するために
① 切削性能の高いブレード(電動糸鋸の鋸刃)の入手と
② オペレ-ターの加工精度の向上
が求められるようになりました。
しかしながらオペレ-ターは還暦を迎え、視力も体力も集中時間の持続力も加齢現象で弱まりつつあります。
しかも左目は数年前に眼底出血をしたために視力が大幅にダウンしました。
実質的には片眼で見て加工しているにかなり近い状態です。

話題はちょっと変わりますが、点「A」と点「B」の2点間を結ぶ最短距離を『直線』といいます。それ以外のものは『曲線』です。私の作品のあらかたは『曲線』で構成されています。デザインの中の直線をルーズに、ルーズに程よくアレンジしていくと得も言われぬ曲線美が生まれます。
電動糸鋸という機械は私にとっては極めて実にありがたいことに曲線を流暢に切削するために開発された電動工具です。


弱音を吐いたり言い訳を並べ立てても先に進めません。扱っている材質の低下はルーズなデザインをルーズに加工していたのでは埒が明かなくなったからです。

そこでルーズな曲線の一つ一つを絞り込んで各2点間の曲線に根拠と必然性を持たせる必要が生まれました。
ルーズなデザインをルーズに加工している限りにおいては決して見えてこない世界との出会いの対面歴の始まりです。ルーズなデザインをタイトに加工してしかももともとのルーズな風合いを残すという修行のような製作を面白がっている今日この頃です。

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by 09donpo11 | 2014-03-18 15:20 | ものづくりのあれこれ | Comments(0)