ばぶさん童話 ごりちゃんとりらちゃんシリーズより 「ぐぅわっぐぅわっごりちゃん」
グゥワッグゥワッごりちゃん
キィコ キィコ キィコ
ブランコは小さく揺れます。乗っているのはゴリちゃんです。
「ごーりーちゃん」
「あっ、リラちゃん。ほらみてみて、ぼくすごいんだよ。
リラちゃんみたいにブランコ、たちのりできるようになったんだ。」
「すごいね。ゴリちゃん、こわくないの?」
「うん、もうこわくないもん。」
「それじゃあ、あたし、ブランコおしてあげる。えい!」
リラちゃんはブランコの据わり板を押し出しました。 キィーコ
「こここここっ・・・」
「だいじょうぶ?」
「こ、こ、こわ~~く・ない」
「おっこちないようにつなをぎゅっとにぎって」
「うん、わかった。」
リラちゃんはブランコをもっと元気に押しました。
「それ~~。」 ギィイーコ
「こここここ・・・」
「こわいのぉ?」
「こけこっこーぉ」
ギィイーコ
ギィイーコ
ギィイーコ
「あはははは」
ゴリちゃんは嬉しくなりました。
「だはははは」
もっと嬉しくなって沢山ブランコしたくなりました。
「かーわって」
「やだ~」
ギィイーコ ギィイーコ ギィイーコ
「うひょひょひょひょぉ」
「かぁーわって」
「だめぇ~」
ギィイーコ ギィイーコ ギィイーコ
「ひゃーほほはぁ~。けけけけぇ」
「かーわって。かあ―わってっ。」
「やぁーだぁーよっグゥワッ」
「かわってぇー」
「グゥワッ、グゥワッ、グゥワア~。」
その時ゴリちゃんのお尻がむずむずしました。
まるでアヒルのしっぽのような羽が出てきました。
「かわってぇー」
「グゥワッ、グゥワッ、グゥワア~。」
すると今度はゴリちゃんの足がむずむずしたかと思うと
オレンジ色のアヒルのような足に変わってしまいました。
ギィイーコ ギィイーコ ギィイーコ
「かわってぇー」
「グゥワッ、グゥワッ、グゥワア~。」
今度はゴリちゃんの口がむずむずしてニョキッと
アヒルのくちばしになってしまいました。
ごりちゃんはびっくりして思わず綱を放したので
ブランコからどっしーんと落ちてしまいました。
「う~~ん、う~~ん、う~~ん。」
「ごりちゃん、ごーりーちゃん。
おきてよ。おきてってば。おーきーて。」
「あ、リラちゃん。おはよう。
あれっ、ない、ない、ないぞーぉ。あーよかった。」
「なんかこわいゆめでもみてたのね。
ねぇ、ねぇ、もうたくさんおひるねしたでしょ。
あたしといっしょにブランコのりしようよ」
―完―