一時保育室レポート 子供のあそびと生活 その⑧ ある日の兄妹寸描
このきょうだい、3歳のお兄ちゃんと1歳の妹がいます。(もう一人お姉ちゃんがいる3人兄妹のうちの下の二人の話です。)
この二人生活力があるというかこの年齢にしては互いへのかかわり方に『しなやかさ』が感じ取れて看ていてほほえましいです。お兄ちゃんは工夫する力が素敵で遊びに没頭します。
没頭している分だけ(?)片付けの時の潔さがちょっとばかりカッコいいです。
妹はしばしばお兄ちゃんの造りかけにちょっかい出して壊します。
幼い兄妹のあそび場面では良くある光景でしょうが、この時のお兄ちゃん、壊されてもほとんどイライラしないのです。
先ずこれがすばらしい。
壊された瞬間「あ~あ」という表情をちらっと見せますが「また作れるからへっちゃらさ」という感じなのです。
作りたいもの・作ろうとしているものへのイメージ(あるいは方向性)がはっきりあるから軸がぶれないのでしょう。
へこたれない、めげないのです。私は心の中で「22世紀は(あなたに)頼んだよ」とエールを贈っています。
一方妹のほうは「はい、どおぞ」とおもちゃを手渡せることがしばしばあります。
お兄ちゃんはこの時、実にさりげなく妹に「ありがとう」を言います。3歳と1歳の兄妹のあそびの中での姿ですよ。
親御さんはどんな子育てをしているのでしょう、興味がそそられます。
お父さんがお迎えに来た時に、お兄ちゃんはその日の描画を大事に見せます。
パパさんはその気持ちを受け留め、絵をサラリと見るのですが、その見方には事務的な気配はなく
サラリの中に気持ちがちょっぴりこもっています。
こうした何気ない親子の関わりの中で子どもたちの感性が育ちつつあるのだなぁって思ったひと時でした。